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公開日:2019/06/01  

買取られた刀剣はどのようなところに売却されていく?

刀剣を買取りに出す方が増えています。自宅で保管するのも難しく、銃刀法に基づき登録しなければならないという手続きの煩雑さが理由です。

ここで疑問に思うのが、売却された後にどうなってしまうのか、ということです。ここでは売却された刀剣の行方について探っていきます。

 

刀剣を買取りする専門店の特徴を知ろう

刀剣の買取りをしているのは、古物商・道具商・美術品商の許可証を持つ専門店です。刀や剣や鎧などを中心に扱っているため、買取りするために欠かせない古物商許可、輸出入するさいに欠かせない道具商許可、買い取りする品の多くが美術品としての価値を持つため、美術品商許可を所持していることがほとんどです。

これらの専門店の中には、刀剣や武具類の買取りのみに対応する店から美術品の一部として買取り対象にしている店までさまざまです。なかでも高く買い取ってくれるのは、武具類の専門店でしょう。これらの店舗では、刀や剣、鎧やその他の小道具の価値を判定できる武具類鑑定士がいます。

専門店の鑑定士が重視するポイントは、製作者が記載されている、製作者に知名度がある、量産されておらず希少価値が高い、江戸時代や戦国時代などの年代物である、所持していた人物の知名度があるなどです。またサビつきや破損の有無などの状態をチェックして買取り査定されます。

剣道や居合道を主催する教室が、買取り専門店を営業していることも珍しくありません。武道などを通じて刀や剣に関心を持ち、保存や収集だけでなく、販売まで関わることが多いのです。このような教室が主体となった専門店では、実際の刀を試し切りしたり、刀の扱い方や保存やメンテナンス方法などを学べる講座も開催しています。聞き慣れない武具専門店ですが、探してみると意外に身近にあります。

 

全国各地で開催されるイベントに出品される

買取りされた刀剣は、イベントに出品されることがあります。最も有名なのが、毎年11月中旬に開催されている大刀剣市です。このイベントでは、全国各地から70を超える専門店が集結、普段は見ることのできない貴重な作品が出品されるため、多くの方が訪れます。

イベント参加者の多くが、武具類に関心を持つ男性や年配の方でしたが、最近では刀剣女子外国人からも注目されています。展示されている本数は、実に数百本を超えます。いずれも年代物であったり、美術品としての価値を持ちます。

イベントを主催しているのが、全国刀剣商業協同組合です。警察庁に許認可と内閣総理大臣の認可を持つ唯一の組合であり、鑑定士資格試験なども行っています。日本国内で武具類を扱う専門店のほとんどが加盟しているため、業界団体としての役割もあります。この他にも千葉県や大阪府など全国各地で専門市が、開催されています。

これらのイベントでは、刀剣を鑑賞するだけでなく購入することもできます。各店舗は売上を伸ばすために自信のある一品を目立つ場所に展示したり、種類や系統などがわかりやすいように展示しています。また毎年訪れるコレクター向けに取り置きをするといったサービスも増えつつあります。

気になる価格帯は10~50万円前後となっており、外国人が増えていることから「万円」ではなく、「¥」や「$」で表示しているブースも多く見つけられます。また商品図録を紹介することでわかりやすさを重視するブースも多いです。

 

購入者の多くがマニアやコレクター、外国人購入者も増えている

買取りされた刀剣を購入するのは、マニアやコレクターです。刀や剣、鎧などに対する関心を強く持っており、専門家や鑑定士に匹敵する知識を持つ方も珍しくありません。このような方々は、目的の品を見つけるとかなりの金額を払っても手に入れようとするため、専門店にとっては上客でもあります。

コレクターと言ってもその目的はさまざまです。例えば刀身の長さが90㎝以上ある大太刀を専門に探している方、徒戦で使われた抜きやすい打刀を探している方、刀身が30㎝未満の短刀に関心を持つ方、特定の流派の試作品を探している方などさまざまです。

増えつつあるのが、外国人コレクターです。先に触れた大刀剣市では、欧米だけでなく東南アジアなどからたくさんの方が訪れており、実際に購入されています。外国人にとって刀は、侍や忍者が持っていた主要武器という認識であり、それらは戦士や強いというイメージがあるようです。

またデザイン的に関心を持つ外国人コレクターも珍しくありません。水が濡れたような波紋があることや美術品としても魅力的な美しい鞘、中世欧州でみられたロングソードのような両刃の剣とちがって、細身でスラリとしているにもかかわらず、切れ味が鋭いことなどから注目が集まっています。

出身国によってコレクターの興味も違ってきます。例えばドイツ人の場合は作品の時代や流派などに関心を持ち、イタリア人は美しさなどを重視するデザイン派、アメリカ人は人種が多様であるため千差万別です。

 

買取りされた刀剣の多くは、国内外のマニアやコレクターが購入しています。特に複数の専門店が集まるイベントでは、たくさんの作品が出品されているため、購入や鑑賞目的の収集家が多く訪れます。手放した刀剣は、日本人や外国人の愛好家達の手に渡ります

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