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公開日:2019/04/01  

短刀の買取は普通の日本刀より短い分安くなる?

ここ数年、ゲームなどの影響もあってブームとなった日本刀ですが、これにより流通にも変化が生じました。

ご自身の家にある日本刀が、どの程度の価値があるものなのか気になった方も多いことでしょう。

今回は日本刀の価値についてご説明します。

 

日本刀にはたくさんの種類がある

まず、一口に日本刀といってもたくさんの種類があります。一般的に日本刀というと、刀身が反った形のものを思い浮かべるかと思います。しかし実際の元となった刃物は直刃というまっすぐな刀身をしており、つるぎや剣といった名称に分類されます。これが時代とともに使用用途の変化に合わせて反りを加えられていくようになったのです。

平安時代後期から室町時代初期に多く作られた日本刀の多くが太刀と呼ばれる刀です。刃長は2尺3寸~6寸(70から80cm)で、美術館や博物館で展示されている価値の高い刀はこれにあたることが多いです。

2尺(60.6cm)の長さとなるとと呼ばれるようになり、より鞘から抜きやすく実線で使いやすいように工夫をされたものとなります。これは室町時代中期から江戸時代末期にもっとも多く見られる形状です。

脇差は刀と一緒に携帯する形で使用された、補助の役割を果たす刀です。刀よりも短く、短刀よりも長いのが特徴で、寸法は1尺(30.3cm)以上、2尺以下ほどです。正規の刀ではないという扱いだったため、百姓や商品にも携帯することが許可されていました。

そして一番短い刀として分類されるのが短刀です。寸法は1尺(30.3cm)以内とかなり小型で、小さいものだと現在一般で普及しているような包丁とさほどかわらないものもあります。主に護身用の懐刀として使用されることが多く、武士のみならず身分の高い女性なども身を守るために寝所に置いていたといわれます。

 

価値のある刀はどんなものがあるのか

価値のある刀というと、美術館や博物館に展示されているようなものを思い浮かべます。実際に有名な美術館や博物館に展示されているような刀は、国宝や重要文化財に指定されているものが多く、値はつけられないといいます。

有名なものに「天下五剣」という5振りの太刀があります。「童子切安綱」「鬼丸国綱」「三日月宗近」「大典太光世」「数珠丸恒次」が該当しますが、いずれも特殊な逸話があったり、現在では再現できない製法で作られた特殊な外見をしていたりと、大変価値の高いものです。

また銘があり、刀匠もおおよそ特定できていることからその価値を高めています。 ここで間違ってはいけないのは、古い刀であるから価値が高いわけではないということです。古い刀は、現存する数が少ないため希少価値が高くなりやすい傾向にあるだけです。

研究対象としての価値は付く可能性はありますが、いくら古くても無名であったり製作者がわからない、もしくは贋作であるようなものには大した価値はつきません。 価値の高い刀の条件は、「銘や製作者がわかること」「人気のある時代や製作者のものであること」「美術的な価値が高いこと」などが挙げられます。

もちろん美品であり、装飾物や箱、刀袋などの一式が揃っていればいうことはありません。また、歴史的人物が愛用していたものに特別な一品として価値が付くこともあります。

 

短刀は太刀などの長い刀に比べて買取価格が下がる?

ご自身のお手持ちの刀を買い取りに出したいと思った時に疑問として挙げられるのは、「短刀などの短い刀は、太刀などの長い刀に比べて買取価格が下がるのではないだろうか」ということです。

確かに美術館や博物館に展示されているような日本刀は、太刀などの比較的刀身の長いものが多いです。しかし、実際には脇差以下の短い日本刀にも、多くの国宝や重要文化財に指定されているものがあります。その多くは銘や製作者がしっかりわかるものであったり、有名で人気のある製作者のものであったりとそれぞれきちんとした理由があります。

確かに太刀は古い時代に作られていたため希少価値が高く、価値が高くなりがちですが、刀身の短い刀がその価値に劣るかというとそういったことはありません。刀身の長さはさほど関係ないといえるでしょう。

日本刀を買い取りに出す場合に気を付けたいのは、むしろ刀身の長さよりも保存状態、装飾品がきちんと揃っているかどうかということです。装飾品や部品の一部がないだけで、買取の価格は激変します。

しかし刀は細かい部品や内部の破損などがわかりにくく、素人目には判断が難しいことが多いです。骨董店などではなく、刀を専門に見てくれる業者に査定を依頼することをお勧めします。そうすることで、おおまかな制作された時代や銘の有無などもわかります。もっと詳しく知りたい場合は鑑定に出すこともひとつの手です。

 

日本刀にはさまざまな面からの価値の見方があります。美術館や博物館で展示されている多くの刀が、太刀などの長い刀であるために長い刀身のもののほうが価値が高いと考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。

お手持ちの日本刀を買取に出す場合は、専門の業者に査定を依頼するとよいでしょう。

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