Skip to content
公開日:2020/02/15  

日本刀にはどのくらいのサイズがある?

日本刀にはさまざまな種類があり、サイズもマチマチです。買取店に出す場合、大きさも相場を決めるポイントになりますので、やはり基本的な知識は持っておきたいところです。果たしてどのような種類のどのような大きさ・長さのものがあるのか詳しく解説します。

日本刀の種別によってサイズが異なる

日本刀には長い歴史があり、種別も一括りにはできないほどたくさん存在しています。買取に出す際にも、買い求める際にも、それがどのような種別にあたるか知らずに取り扱うのではなく、しっかり理解することが大切です。それでは早速基本となる刀剣類と大きさについて解説しましょう。

まずは「直刀」です。直刀は、その名のとおり刀身がまっすぐの刀を指します。古い時代のものでサイズもバラバラとなり、短いものでは刃渡り41.1cmから長いものでは223.5cmのものまでさまざまあります。

ただ、平均するとどれもおおむね100cm程度で、長いものは実用ではなく催事などに使われたとされています。古墳時代から奈良時代に多く作られ、紀元前3世紀頃に大陸から伝わったとされます。

次に「太刀(たち)」です。太刀は長さが60cm以上ある長めの刀身で、腰につける際には刃を下にしていました。平安時代中期に武士が台頭し、戦も馬上から攻撃するなどの変化が現れ、ニーズに合わせて反りをつけることが始まったとされます。

このときに、接近戦でも使えるよう刃渡りを短くした小太刀(こだち)も生まれ、建物の中など狭い場所での戦いでは長さ60cmに満たない小太刀のほうが多用されました。

次に「打刀」です。こちらが一般的に刀と言われるものですが、長さは太刀と同じく60cm以上が主流で、腰につける際に刃を上にしていたのが異なる点です。戦国時代に突入し、騎馬戦から徒歩戦へと変わる中、取り扱いがしやすい実用刀として開発されました。

接近戦用にはもっと短い脇差があり、40cm程度のものや、もっと短い小脇差や鎧通しなども生まれました。脇指は刀と並べて腰にさし、桃山時代や江戸時代には打刀と揃いで「大小」と呼ばれています。

小太刀や脇差などと同じように短く、30cm未満のものには「短刀」があります。「腰刀」とも呼ばれ、ほとんどは反りはありませんが、時代によって反りがあったり長さも変化したり、反りが逆方向の内反りなどもありバラエティに富んでいるのが特徴です。

サイズによって流通価格にも差がある

日本刀の相場を決めるポイントはさまざまあり、決してサイズのみで評価されるわけではありませんが、やはり同じランクなら長いもののほうが価格は高くなります。基本的にランクを決めるのは切れ味をもとにした「業物」で、最上大業物から大業物、良業物といったランクがあります。

同時に出来栄えをもとにした「上作」というランクもあり、最上作から上々作、上作や中上作などがあります。当然業物で上作なら上になるほど価格も跳ね上がり、多くの人が知る村正(むらまさ)や正宗(まさむね)などは非常に人気があります。

こうした作者の人気も価格に反映されますが、例え無名でも質がよければ高値になることもありますので、買取店は鑑定が確かである必要があるでしょう。サイズに関しては前述のとおり種類によって分けられ、基本的な刀である60.6 cm=2尺以上のものが100%とすると、同ランクの脇差しで50%を切る程度となるのが一般的です。

ただし、短刀になるとまた価値が変わるため、短くても60%程度の価格がつく場合もあります。特に担当はバラエティに富むため、装飾具合や拵え(こしらえ)によって大きく評価は変わるでしょう。

拵えというのは柄(つか)や鍔(つば)、鞘(さや)などの外装で、美術品である以上、見た目が非常に美しい細工の場合は高く評価されることも少なくありません。もちろんそれに加えて状態の善し悪しもありますし、製作された年代にもよります。美術品ですから古いほうが一定の価値となり、きれいな状態で古いものが残っていれば、それだけでも価格が上がります。

正しく鑑定してくれる買取店を選ぼう

素人でもわかるのがサイズですが、一定の差はあるものの、やはり刀の価値は大きさだけでは測れません。見た目の美しさはわかりますので、買取に出すならなるべくきれいな状態にしてあげたいところですが、よくわからないまま錆びを落としたり磨いたりするのはリスクがあります。

残念ながら刀身が錆びていたりすることもありますが、自信がないなら表面の誇りを取る程度にして、正しく鑑定してくれる買取店に持ち込むほうが無難でしょう。少しでも高くしようとして新たな傷をつけてしまったり、歴史的価値を損ねてしまったりするのは本末転倒です。

もし資料があるのであれば、刀が作られた時代を調べてみるのもよいでしょう。一番価値が高いのは「上古刀」で、これは平安初期より前に作られた刀ですが、非常に希少価値が高いためほとんどお目にかかることはありません。「古刀」は平安時代から戦国時代に作られた刀で、国宝も多くある時代です。

江戸時代から先は「新刀」、明和以降は「新々刀」と言い、幕末のものは新々刀が多くなります。明治9年以降は「現代刀」となり、どれだけ素晴らしくても骨董価値はありません。それでも日本刀であれば美術品であることは間違いありませんので、適正な価格をつけてくれる買取店に出すことが大切です。

 

日本刀にはたくさんの種類があり、それぞれ刀身の形もサイズも異なります。切れ味や仕上がりをもとにした基準があり、それぞれランクがありますが、まったく同じランクで比較するなら、やはり刃渡りが長いほうが評価は高くなります。

ただ、時代や作によっても価値は変わりますし、拵えがいい短刀などは美術品としての価値が上がる場合もあります。価値を知るなら、確かな鑑定をしてくれる買取店に持ち込むのが一番間違いのない方法でしょう。

よく読まれている記事