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公開日:2020/09/15  

日本刀の製鉄法「たたら」について解説

日本は昔、全て手作りで作られており、たたら製鉄と呼ばれるところで作られていたのです。現在ではこのようなやり方をせず機械化されていますが、現代でもこのような伝統的な技法を使って日本の刀を作っているところもあります。なぜこのやり方をするかと言えば、唯一無二の頑丈な刀を作ることができるからです。

砂鉄と木炭を用いて作られているのが特徴

たたら製鉄は、日本の江戸時代あたりに広まってきた技法の1つになります。このやり方は、数百年の歴史があり、今なお一部では受け継がれているのが大きな特徴です。日本各地でたたら製鉄がおこなわれていましたが、当時は機械等がありませんでしたので、人間が手作りで窯を作っていました。

たたら製鉄の最大の特徴は、砂鉄と木炭を利用することです。現代の鉄は、鉄鉱石から作られており、石を溶かすことによりそこから鉄を抽出することができるのです。日本も、鉄鉱石を生産する外国から鉄を輸入していることを聞いたことがある人も多いでしょう。

これは、単純に日本で鉄鉱石を取ることが難しいからです。もちろん地形的に産出量が0%なわけではありませんが、ほんのわずかに取れるだけであることと、それを採取するのに莫大なお金がかかることを考えれば、輸入した方が良いです。

当時も、鉄鉱石に注目をしていた部分もありますが、たたらに至っては鉄鉱石を一切使わず砂鉄を使っていました。砂鉄は、砂場で磁石をかざせば取れるあの鉄のことです。学校の砂場や公園の砂場でも簡単に取れてしまうほど鉄の原材料は身近なところにあったのです。当時それを発見した人は、砂鉄をうまく抽出し日本刀の材料にしたということです。

大きな窯を作ることからスタートする

砂鉄や木炭を用いる場合、単にこれに火をつけただけでは鉄は取れません。例えば焚き火のように砂鉄と木炭を入れて燃やしただけでは、到底鉄が取れるわけではないのです。そもそも、密閉した空間でないと高い温度を保つことが難しいといえます。高い温度を保つことができなければ、砂鉄から鉄を取り出すことは難しいわけです。

そこで考え出されたのが、大きな窯になります。実は、窯を作るのは2ヶ月ほど時間をかけて作っていきます。適度な大きさに作り、それを乾燥させてようやく密閉した空間を作ることができるのです。

窯ができたならば、その後空気穴などを開けて、よく空気を通るようにします。これにより、窯の内部の温度を上げることが可能になるわけです。そして、木炭と砂鉄を集めますが、少量だけ集めてもほとんど意味がありません。

そこで大量の木炭と砂鉄を用意するために、木炭と砂鉄の取れる土地を所有している人からそれらを買い取っていきます。いくら身近に砂鉄があるといえども、数トンの砂鉄を取るのは、誰かの協力を得なければ難しいからです。

大量にとった砂鉄と木炭で、三日間ほど加熱していきます。このときは、カレーを煮込むように三日間ずっと火を送り続けるのがポイントです。そうすることにより、少しずつ鉄の元となるケラと呼ばれるものが抽出されていく流れです。

大量のケラを抽出する作業は大事

たたら製鉄の中でクライマックスと言われているのが、大量の鉄の素材であるケラを取り出す作業です。三日三晩焼いた砂鉄は、大きな塊になっています。窯の大きさに比例するため、ある程度大きなスペースで焼くとすれば、2トンから3トン位の重さになるでしょう。これらは1人で抽出することは難しく数人でおこなっても難しいです。

そこで、作った窯を壊して取り出すことになります。これは別名日本刀の素材となる頑丈な玉鋼と呼ばれるもので、これを伸ばして叩き、鍛え込むことで、唯一無二の頑丈な日本刀を作ることが可能になるわけです。

このように、時間をかけながら丁寧に日本刀の素材となる鉄を取り出していく作業があり、作業者は火傷などのリスクを負いながら作っていくのが特徴になります。

 

たたらとは、日本で昔からおこなわれている鉄を抽出するものになります。刀は鉄鉱石で作る方法もありますが、当時の日本では鉄鉱石を要しませんでした。これは、木炭と砂鉄によって抽出されるものです。三日三晩休むことなく作業することにより、ようやく日本刀の鉄の原型と言われるケラを抽出していきます。

ただ、ケラをそのまま使おうと思っても、立派な日本刀になりませんので、これを叩いたり伸ばしたりすることで、頑丈な刀を作ることが可能になるでしょう。これにより、現代の機械の技術ですら作ることができない唯一無二の頑丈な日本刀が完成します。

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