日本刀や刀剣を扱う上で知っておきたいのが登録証です。
正式には鉄砲刀剣類登録証と呼ばれるものですが、一体どのような意味を持っている書類なのでしょうか。
基本的な原則や取り扱いの仕方や取得方法などについて一通り理解しておきましょう。
鉄砲刀剣類登録証とはどんなものか
鉄砲刀剣類登録証とは鉄砲刀剣類所持等取締法によって定義されている刀剣類および、美術品もしくは骨董品として価値のある火縄式鉄砲等の古式銃砲の所持や売買のために必要とされる書類です。日本刀や刀剣を所持するときにも売買するときにも必須の書類になっています。
刃渡りの長い刃物を持っていると銃刀法違反になるという話はニュースなどでも話題になることがありますが、鉄砲刀剣類所持等取締法ではそれを明確に定義していて、刃渡り15cm以上の刀や槍、薙刀と刃渡り5.5cm以上の剣、合口については登録証を持っていなければ扱えないと定めているのです。
そのため、日本刀や刀剣を買いたいときや売りたいとき、あるいは相続したときや自宅の倉庫などから発見してしまったときには登録証の存在を意識する必要があります。買うときには日本刀や刀剣と一緒に手に入れることが必要で、売るときには買主に対して提供することになります。
相続したときや発見したときには日本刀や刀剣だけでなく登録証もあるか探すことが重要です。新たに発見して登録証がないというときには取得すれば問題ありません。
また、買ったり相続したりして登録証があるというときには所有者を変更する手続きをすれば良いということになります。この手続きをすることで自分が所有者となり、所持することが認められます。そして、売りたいときには売れるようになり、もし処分してしまいたいと思ったときにも警察署に行けば処分してもらえるようになります。
鉄砲刀剣類登録証の取得する方法
日本刀や刀剣を発見してしまって所持したいというときには鉄砲刀剣類登録証を手に入れる必要があります。鉄砲刀剣類登録証は教育委員会によって登録してもらって発行を受けるものですが、手続自体は所轄の警察署の生活安全課から始めなければならないので注意が必要です。
手順としてまずは日本刀や刀剣を発見したということを生活安全課に伝えます。その上で現物を警察署に持参するという手順を取るのが基本です。その際に手続き上必要になるのが印鑑と身分証明書なので忘れないようにしましょう。登録証がない日本刀や刀剣は原則として所持できず、当然ながら持ち歩くこともできないので事前連絡が必要なのです。
そして、警察署では刀剣類発見届への記入が求められます。それを提出すると刀剣類発見届出済証を発行してもらうことができ、同時に教育委員会への連絡を行ってもらえます。少しすると都道府県の教育委員会から連絡が届き、登録審査会の告知と登録申請書が手に入るというのが一般的です。
その登録申請書に必要事項を記載した上で、刀剣類発見届出済証と一緒に登録審査会の会場に持参して提出し、登録手数料として6000円と消費税を支払うと登録証を発行してもらえます。
このような手続きを終えると法律上正しい手続きで所持や売買が行えるようになります。
鉄砲刀剣類登録証の所有者を変更するには
鉄砲刀剣類登録証は自分の名義になっていることが所持するためには必要なので、購入したり相続したりしたときには所有者変更の手続きをする必要があります。取得したときから20日以内に手続きをすることが求められているので注意しましょう。変更手続きは日本刀や刀剣が登録されている都道府県の教育委員会で行ってもらいます。所有者変更届出書を調達して記入し、郵送または窓口に提出するだけで良いというのが一般的です。手続きにはもとの所有者の住所氏名も必要になるので、購入したときには確認しておくことが大切です。
種別や長さ、反り、目釘穴の数、銘文についても記載する必要がありますが、以前の登録証があれば確認することは簡単でしょう。その内容と齟齬があると問題になるのでそのまま転記してしまうのが安全策です。
また、これに付随して知っておくと良いのが、所持していたはずの登録証を紛失してしまったときにも手続きが必要になるということです。
この場合には再交付申請手続きをすることになります。まずは警察署の会計課に登録書の紛失届を提出します。そして、都道府県の教育委員会に紛失したことを伝えて、登録詳細交付申請書・鑑定申請書、銃砲刀剣類登録証(亡失・盗難・滅失)届出書を手に入れて提出するというのが手続きです。
この際、郵送の手続きだけでなく、登録審査会で審査を受ける必要があります。再交付のときにも発見のときと同様に登録手数料が必要となるので用意した上で指定された会場で手続きをしましょう。
鉄砲刀剣類登録証は日本刀や刀剣の所持や売買をする上で必要な書類です。売買や相続、発見の際には手続きをする必要があります。警察署と教育委員会の二箇所とのやり取りをする必要があるので、状況に応じて何をすべきかをまとめておくと便利です。