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公開日:2020/05/15  

日本刀の鍔に付いた錆の落とし方と防止策

日本刀の鍔に付いてしまうさまざまな汚れ、この落とし方を知ることはもちろん、予防法を知ることは状態をよい方向に持っていくためには重要視すべきです。どのようなアイテムが必要になるのか、合わせて確認しましょう。

空気や水が大敵となるから注意しよう

日本刀の鍔に付く錆の落とし方、そして防止するための環境などについて知ることは、コレクションをするために購入したり、買い取りサービスを利用したい考えでいるならば、品質(劣化)に繋がる問題ですから注意しましょう。

ちなみに鍔は、刀を納める特別な鞘となる拵え、その装飾で目を惹く存在となっています。柄と刀身の間にある部分ですが、本来は、刀の柄を握った際に危なっかしくない防護目的で取り付けられており、刀身のほうに手が滑ってしまえば、ケガをしてしまう可能性もあり、重要性のある保護部品だったようです。

しかし、平穏な時代に突入してからは機能性よりデザイン性という凝った装飾が施されるようになり、現代版は多彩な装飾で人気取りしているようです。ちなみに、相手に対する示威行為目的ともいわれている時代もあったようです。

日本刀に魅せられる人のなかには、部品だけをコレクションする人もいます。刀身がないのでケガをする心配もなく、少ない金額で購入もできます。どの年代物であれ、ずっしりした重さのある金属でできていますが、装飾はさまざまに施されています。

ちなみに使われている素材は性質的に、空気と水に触れることで錆びてしまいます。湿気も原因になりますから、保管方法によっては濡らしていないのに錆が発生してしまうこともあるようです。

落とすためには、日本刀をバラすことにもなります。柄頭の装飾をバラしたり、柄紐をほどいたり、鍔の付け根に金具があるので取ったり、慎重に作業をおこないましょう。もちろん、部品だけをコレクションしていればすぐに落とす作業にうつれます。

頑固な場合にはメタルクリーナーを使う

まず、きれいな状態と考えるなら、その日本刀が高価なものであれば、もっとも確実な方法は日本刀専門のお店に相談することです。これら専門店では、劣化した日本刀が持ち込まれることも多く、一見すればすぐに落とせるイメージがあるものも、根深いところ、届きにくいところに発生していることもあり、素人ではきれいに落としきることができません。

ちなみに、研磨をおこなう必要もあるのが実情で、これは素人が簡単にできる工程ではありません。研ぎすぎれば、素材も薄くなりやすく、品質も悪くなってしまいかねません。研磨には一般的に数万から数十万円の費用がかかりますが、費用対効果に繋がります。

汚れの種類によって使用するアイテムも違うようで、見極める目も確かです。研ぎで使用するのは天然砥石で、水をかけながら研いだり、油を使用して研ぐこともあります。

専門店に依頼しないのならば、用意しておくべきは、打粉や丁子油、拭い紙です。素人でもお手入れをおこないやすいアイテムです。もともとから塗布されている油を拭き取り、汚れを取り除くときに打ち粉を打って拭い紙を使い錆を落とします。白錆ならば打ち粉で取り除けることが多いようですが、頑固な場合にはメタルクリーナーを使って落としましょう。

この場合には、軽くこする程度に留め、装飾部分は綿棒などを使ってこするだけで十分落とすことができるはずです。しかし、それでも落ちないならば、専門店に持ち込みましょう。

高温多湿な場所は避けて保管する

また、防止策といえるのは、高温多湿となる気候を考えれば、落としてきれいにした日本刀でも再度錆が発生しないとはいい切れません。防止するためにも定期的にお手入れをする必要があり、その方法を知っておきましょう。

まずは、表面に薄く油をまとわせた状態にしておくことによって水弾きがよくなります。また、手で触れてしまっても手垢などが油膜により付着しにくくなります。まずは、もともとから塗ってある油を拭き取り、新しい油を薄く塗りましょう。これを怠らないようにするだけで錆落としをした意味もあるはずです。

また、保管場所もポイントで、高温多湿な場所は避けましょう。特に湿度の低いところを選ぶべきですが、低すぎる場所に置いておくと拵が傷みやすくなるようで、今度は刀身に錆が付きやすくなってしまうので注意が必要になります。ですから、

通年、程よい湿度管理が必要ですし、金属は温度差にも気を配らなければなりません。いわゆる結露問題もあり、冷暖房の使用は控えめにしましょう。また、防虫剤にも錆びを発生しやすくなる作用があるようですから、その辺りも抜かりなく確認しましょう。

 

日本刀の鍔に魅せられ、その部品だけをコレクションする人もいるようです。しかし、汚れが付いたり、錆が発生してしまうのも素材の性質的問題となっています。きれいに落としたいと考えるならば、専門店に依頼するのが賢明です。

しかし、発生して間もないのなら、素人でも作業ができます。落とし方としては打ち粉を打って拭き取るだけですが、防止策も知らなければ無意味になりかねません。お手入れ後は、保管場所に注意が必要です。

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