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公開日:2023/04/15  

戦場を駆け抜けた西洋剣!ヨーロッパ軍が使用していた剣の種類とは


現代ではほとんど出番がなくなってしまいましたが、数世紀前までは戦争において銃火器だけでなく剣を利用することが一般的でした。本記事では、まだ戦場で現役だったころに実際に使われていた西洋の剣について詳しく紹介します。使用していた国ごとに紹介するので、昔の武器に興味がある方はぜひ参考にしてください。

フランス軍が使用していた剣

フランス軍を代表する剣といえばサーベルです。サーベルとは、細身の湾曲した刀身が特徴の刀のような剣です。よくアニメーションや映画などで海賊は刃が湾曲した剣を身につけているかと思います。フィクションで海賊が握っているのが、サーベルです。騎兵が馬に乗ったまま扱えるように片手で振るえるほど軽く、刀身も短めに設計されています。

平均的なサイズは約70~120センチです。起源は断定されていませんが、ファルシオンやシミターあたりの剣のデザインが元になっているのではないかといわれています。戦争においてもフランスを始めとしたさまざまな国で使用されましたが、海賊にも好んで使用されていました。また、日本においても明治頃警察官の武器として採用されており、現在でも自衛隊の儀礼刀に採用されています。

なお、フランス軍が使用していた剣は、デザイン性でも優れていたという一面があり、剣のヒルトに施される装飾と模様は他国でも真似をされるほどでした。

イギリス軍が使用していた剣

イギリスでは日本でも有名なナポレオン戦争を機に剣の改良が大きく進みました。ナポレオン戦争後にまず開発されたのは、刀のように片刃ながらも先端部分のみ両刃でレイピアのように刺突も行える剣です。この刺突と斬撃が両方行える剣は、戦場では刺突と斬撃どちらが有用なのかを何度も議論し検討を重ねたうえで開発されましたが、刀身の薄さによる剣の脆さから、戦場では余り活躍しませんでした。

次に登場したのが、幅広な刀身を削ることなくそのままの状態ですべて収めることができる柄が搭載された汎用型の剣です。刀身を削ることなく柄に収められるようになったことで、剣の耐久性が上がりました。この汎用型の剣は軽量騎兵と重騎兵の両方に採用されました。

ヨーロッパの各軍が使用していた剣

ここでは、ヨーロッパの各軍で使用されていた剣を紹介します。現代の戦場でも、各国の軍隊がみんな似たような武器や道具を使っているように、剣が戦場で活躍していた時代においても、この国だけがこの武器を独占していたということはあまりなく、一つの国で人気が高い武器はほか国でも似たような武器が開発されていました。そのため、ここで紹介するのはあくまでも一例であり、当時使われていた剣のすべてではありません。

ロングソード

ロングソードは、名前からして長そうな剣という印象がありますが、一般的な長さの剣です。名前は、ショートソードなどの短めな剣との対比で付けられています。主に11世紀から13世紀にかけてヨーロッパの戦場で流行しました。剣の長さは登場初期と後期で変わり、初期に開発された物は80~90センチ、後期に開発された物は80~100センチ位です。初期に開発された物には、刀身が幅広という特徴があり、後期に開発されたものは細身ながらも丈夫という特徴があります。

ファルシオン

ファルシオンは、イタリア・フランス・ドイツなどの歩兵に使用されていた剣です。カッターナイフのように剣先が斜めにカットされた見た目をしており、刀のように片刃です。製造費用が安いことや扱いやすいこともあり、戦場で戦う兵士だけでなく平民のようにお金のない層にも好んで利用されました。

ツヴァイハンダー

ツヴァイハンダーは、15世紀から16世紀にかけて主にドイツで使用された剣です。一般的な剣に比べてサイズがとても大きいという特徴があり、平均的なサイズは約1~1.3メートル、重さは2~5キロほどです。片手では振るえないほどの重さがあるため、扱うためには筋力と技術力が求められました。ドイツ以外にもスイスやイタリアでも使用されていました。神聖ローマ帝国のランツクネヒトという歩兵部隊が装備していたことで有名です。

ヨーロッパの海軍が使用していた剣

ヨーロッパの海軍では、カットラスという名前の武器が使用されていました。カットラスは、刀身が短めで、片手で振るうことのできる剣です。カトラスなどと表記されるケースもあります。日本で有名な剣である刀とは違い、刃が湾曲しており、かなりサーベルに近い見た目をしています。海軍だけでなく、陸軍でも採用されており同じ物が支給されていました。

諸説ありますが、もともとは大航海時代に中南米でサトウキビなどの収穫用として使用されていた鉈を改造して造られたことが起源であるといわれています。もっとも使用されていた大航海時代では、主に海賊の中でも身分が低い立場の人が装備しており、戦闘だけでなくロープの切断といった雑用や工作用途にも使用されていました。なお、日本での名前は舶刀です。

まとめ

本記事では、戦場で実際に活躍した西洋の剣について紹介しました。いかがだったでしょうか?日本人からすると剣といえば刀しか馴染みがないため、種類が少なそうだと感じるかもしれませんが、剣が戦場で活躍していた時代では剣と一括りにしてもさまざまな種類が存在していました。本記事が、昔の武器に興味を持ち知りたいと感じている方の、お役に立てれば幸いです。

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