お手持ちの「短刀」を売却する前には、どんな短刀が高く売れるのかを知っておきましょう。この記事では、短刀の特徴と、高価買取が期待できる短刀なのか確認する方法を紹介します。短刀の売却を考えている方は、参考にしてください。
そもそも短刀とは?
短刀とは、刀身の長さが約30cm以下の日本刀を指します。近年は短刀と呼ばれていますが、昔は刀と呼ばれていました。武士が刃を上向きに差していた刀を腰刀、刀長が長いものは太刀などと呼ばれていた歴史があります。また、短刀は脇差と間違えられることがありますが、脇差は30cm以上60cm未満の刃剣のこと。そのほか、脇差には拵に鍔が付いています。短刀には鍔が付いていないことも覚えておくと、見分けるのが簡単になります。
短刀の役割
短刀は力が弱い子どもや女性でも扱えるため、主に護身用の武器としての役割があります。また短刀には、災厄や病魔から所有者を守る、お守りとしての役割があります。そのため、天皇家や宮家では、生まれた子に新作の短刀を送る儀式があります。このような儀式のことを賜剣の儀といいます。そのほか、和装の結婚式では花嫁衣裳の必需品として利用されています。短刀は縁起物として需要があることも、覚えておくといいでしょう。
短刀の種類はどのようなものがある?
短刀には「懐刀」「鎧通し」「寸延短刀」の3種類があります。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
懐刀
懐刀は、脇差を佩用できない際に隠し持つ短刀であり、隠刀とも呼ばれています。懐刀は短刀の中でも短く、鍔を用いず、懐に入りやすいように工夫されていることが多いです。また、懐刀は日本刀の一種である打刀と同等の価値があるため、名品がとても多いです。現在でも和装の結婚式では、懐刀が花嫁衣裳の必需品として使われています。
鎧通し
鎧通しは、甲冑を着用した相手と取っ組み合って戦う際に使われ短刀であり、馬手差しとも呼ばれています。鎧通しは逆手に持って使用することが多いため、刃長は約28.8cm以下と短いことが特徴です。鎧通しは本来の短刀とは異なり、鞘の部分が前に来るように身につけられていたとされています。鞘を前にしていた理由は、取っ組み合いになった際に相手に奪われることを防ぐためです。そのほか、城を攻める際にも鎧通しは使われていました。
寸延短刀
寸延短刀は、長さが約30cm以上ある短刀のことを差します。現在では脇差に分類されていますが、短刀の用途として作られたため、短刀の一種として扱われています。寸延短刀は、鎌倉時代末期から活発に作られていましたが、戦争などによって失われた歴史があります。
高値で売却できる可能性のある短刀とはどのようなもの?
短刀は、素人が見ただけでは高値で売却できるか判断が難しいものです。そのため、高値で売却できるのか判別するポイントをしっかりと把握しておきましょう。手元に短刀がある方は、次の3つのことを確認するようにしましょう。
銘の確認
短刀は、在銘なのか無銘なのかで大きく値段が変わります。そのため、短刀の売却を考えている方は、在銘なのか無銘なのかを確認しましょう。登録書や鑑定書を確認すると、簡単に確認できます。万が一登録書や確認書がない場合は、茎を確認するといいでしょう。在銘がある場合は、茎と呼ばれる短刀の柄を外すと銘が確認できます。柄の外し方がわからない場合は、専門店に持っていくことをおすすめします。
刀装具の確認
刀装具とは、鞘や柄など短刀の外装具のことを差します。刀装具が華やかで美しい場合は、価値のある短刀の可能性が高いでしょう。また、価値のある短刀の場合は、立派な刀台セットが付属されていることがあります。買取に出す際は、刀台セットも一緒に売却することで、さらに高価買取が期待できるでしょう。
鑑定書の確認
短刀には「特別重要刀剣」「重要刀剣」「特別保存刀剣」「保存刀剣」の順番に、ランク付けされています。こちらのランクは、公益財団法人日本美術刀剣保存協会が発行する鑑定書があれば確認できます。鑑定書を確認し、特別保存刀剣以上であれば、高価買取が期待できるでしょう。以上が、短刀を売却する際に確認するべきことです。また、短刀を入手した場所がわかる場合は、入手ルートを確認しておくと、高価な短刀なのかわかります。
短刀は、刀身の長さが約30cm以下である日本刀のことをいい、さまざまな用途で使われています。そのため、売却を考えている方は、事前に手元にある短刀の種類を確認しておきましょう。また、高価買取が期待できる短刀なのか調べたい方は「銘」「刀装具」「鑑定書」の確認をすることで、手元にある短刀の価値がわかります。自宅に眠っている短刀に、思ってもみない買取額がつけば嬉しいですよね。今回ご紹介した価値を測るポイントを参考にして、大まかな予測をつけてから買取業者に依頼するとよいでしょう。