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公開日:2019/08/15  

日本刀買取において価値はどのように決められる?

実家を片付けていたら日本刀がでてきたけど扱いが分からない、親から受け継いだけど興味がないので処分したい、という人もいるはずです。

美術品として価値が認められる刀には登録証が付いているので、その場合は高値で買い取ってもらえる可能性もあります。

ここでは日本刀を買い取ってもらう際のポイントをいくつか紹介します。

 

日本刀の買取りには登録証が必要

日本刀は美術品・骨董品の価値が認められるものには1本ごとに銃砲刀剣類登録証が発行されています。この登録証は美術品として刀剣を保持できるという証明書のようなもので、これがあれば買取りを依頼することができますし、高値が付く可能性もあります。

登録証発行に必要な審査は各都道府県の教育委員会主催で行なわれ、実際の審査は文化庁から委嘱された専門家が行ないます。武術用や鑑賞用に伝統的な製作方法によって鍛錬し、焼き入れを施したものが対象となり、親から受け継いだもので名義変更が必要なものは変更届を出せば手続きできますし、登録証がない場合でも日本刀を発見したことを警察署に相談すれば発見届出済証を発行してもらえるので、あとは教育委員会が主催する登録審査会で美術品として価値があるかどうか審査してもらいます。

価値があると認められれば登録証が発行されますが、認められなければ処分されます。審査期間中は刀剣を所持していても問題はありませんが、届け出をしたり審査を受けるのが面倒だからといって不燃ゴミとして処分しようとしても一般ゴミにだすことはできないので注意が必要です。

模造刀や模擬刀などは所持していても違法にはならないので、要らなくなったときは自治体のゴミ捨てルールに従って処分することができます。登録証の新規登録や名義の書き換え、再交付の手続きには費用が発生します。

 

日本刀を高く買い取ってもらうときのポイント

自分が所持する日本刀を売ろうと考えたとき、それがどれくらいの価値があるのか気になるのが一般的です。刀剣は作られた年代などで価値が異なりますが、あらかじめ評価されるポイントがどこにあるのか知っておけば、高く売れるのかそうでないのかをある程度予想することができます。

まず制作年代がポイントの1つになります。最も価値が高いものが上古刀といわれる奈良時代以前に作られた反りのない直刀で、武器としてよりも副葬品などに使用されていたとされています。平安時代中期から桃山時代末期に作られたものを古刀、続いて江戸時代・慶長元年から安永末年頃に作られたものが新刀、天明元年以降から明治時代の廃刀令が出されるまでの期間に作られたものを新新刀、それ以降の時代に作られたものを現代刀とよんで区分しており、年代が新しくなるに従い価格が下がります

また、刀工に付けたランキングや切れ味の評価によっても価値が異なり、刀工のランキングでは評価が最も高い最上作から中作まで5段階に、切れ味の評価では最もよいとされる最上大業物から業物までの4段階に分かれています。

日本刀の価値は美術品としての評価でもあることから鑑定書の有無や、その種類でも価値が決まり、中でも公益財団法人日本美術刀剣保存協会が発行している鑑定書の特別重要刀剣が数も少ないことから最も評価が高いとされています。

 

日本刀を買取りに出す前に気をつけたいこと

日本刀買取りの審査基準について説明しましたが、査定に出す前に注意しておきたいことは、できるだけよい状態を保っておくことです。日本刀があるのはわかっていても手入れをしないままだと錆びてしまって、いざ売却しようとしても相手にしてもらえないということもあります。

せっかく日本刀を所有しているのですから定期的にメンテナンスをしておけば、カビが入るのを防ぎ独特の美しい輝きを保つことができます。実際の手入れはそれほど面倒ではなく、お手入れ道具さえあれば比較的簡単です。

おおよその流れは、まず刀身を鞘から抜き次に柄から少しずつ引き抜いていきます。刀身があらわになったら、古い油を拭い紙やティッシュペーパーを使って拭い去り、まだ残っているくすみは打粉を打ち、軽く拭き取ることで取り去ります。打粉は研磨剤の役割をするので、この作業を繰り返すうちにくすみがとれ刀身は本来の輝きを取り戻します。最後に新しい油を軽くなぞる程度に塗ってメンテナンスは終了です。

油は錆止めなどのために塗りますが、塗りすぎに注意しないとかえってホコリを吸着してしまいますし、鞘に付着すると酸化の原因になったりします。打粉も打ち過ぎると刀身に傷をつける原因になってしまいます。それでは錆びてしまったらもう買取りは無理なのかということについては、錆が表面だけの場合はまだ修復できる可能性もあるので専門店に相談してみればよいです。ですが状態によっては思いも寄らない費用が発生することもあるので、やはり定期的にメンテナンスをしておいたほうがよいです。

 

日本刀の買取りには年代や鑑定書の有無などいくつかのポイントがあることがわかりました。ですが興味があるならともかく、そうでない場合は扱いに困るという人もいるはずです。登録証や鑑定書があるけれど保持するのが大変、特に思い入れもないといった場合は、買取りを前提に査定を依頼することも有効な選択肢のひとつです。専門の目利きがみれば思いもかけない高値がつくこともあります。

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