関東地方の美術館や博物館などに収蔵されている貴重な日本刀は数多くあります。今回は、関東地方を訪れた際に、日本刀を鑑賞できる場所についてご紹介。近くを訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみましょう。
埼玉県立歴史と民俗の博物館
埼玉県で日本刀を鑑賞できる場所は、埼玉県立歴史と民俗の博物館です。埼玉県立歴史と民俗の博物館は埼玉県さいたま市大宮区にあり、観賞できる日本刀は「短刀 銘 備州長船住景光元亨三年三月日(びしゅうおさふねじゅうかげみつ げんきょうさんねんさんがつひ)」長船派の3代目となる刀工景光が1323年に作刀しました。国宝に認定されています。
「短刀 銘 備州長船住景光元亨三年三月日」は、越後の龍として有名な上杉謙信の愛刀です。謙信景光という名もこの短刀に由来します。明治維新以降に上杉家を離れました。現在は、埼玉県立歴史と民俗の博物館にて所蔵されています。
住所:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4-219
時間:9:00~16:30(観覧受付は16:00まで)
休館日:月曜日(祝日・振替休日・GW、県民の日を除く)、12月29日~1月1日
電話:048-645-8171(学芸)、048-641-0890(管理)
千葉県立中央博物館大多喜城分館
千葉県で日本刀を鑑賞できる場所は、千葉県立中央博物館大多喜城分館です。千葉県立中央博物館大多喜城分館は千葉県夷隅郡大多喜町にあり、観賞できる日本刀は、「大薙刀 無銘 伝法城寺(でんほうじょうじ)」
重要文化財に認定されている「大薙刀 無銘 伝法城寺」は、福岡藩の藩主を代々務めた黒田家より伝来した刀です。南北朝時代に法成寺国光が但馬国にある寺院「法城寺」に住んだことで作刀したため「法城寺派」の作品と呼ばれています。同時代の大薙刀は、数が非常に少なく、無銘作でありながらも作刀当時のまま姿を残す貴重な刀です。
住所:千葉県夷隅郡大多喜町大多喜481
時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、次の平日は休館)、年末年始、展示替期間
入館料:通常 一般 200円(20名以上の団体は160円)/高・大生 100円(20名以上の団体は80円)企画展開催時 一般300円/高・大生150円
電話:0470-82-3007
土浦市博物館
茨城県で日本刀を鑑賞できる場所は、土浦市博物館です。土浦市博物館は、茨城県土浦市にあり、観賞できる日本刀は「短刀 銘 筑州住行弘観応元年八月日(ちくしゅうのじゅうゆきひろ かんおうがんねんはちがつひ)」国宝に認定されています。
「短刀 銘 筑州住行弘観応元年八月日」は、土浦藩2代藩主である土屋政直が、正室「幾宇子」(きうこ)の父である松平康信より拝領した刀として伝わります。この短刀は、緩やかに波打つ湾れ(のたれ)に、瓦の目交じりの刃文などが観る人を引き付ける名刀です。鍛えは、勾口が冴えており、金筋がかかります。地鉄は、板目肌でやや流れ肌が混じるのが特徴です。
住所:茨城県土浦市中央1丁目15-18
時間:9:00~16:30
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、年末年始、展示替えに伴う臨時休館
入館料:一般 105円/小中高生50円(毎週土曜日は小中高生の入館料無料)
電話:029-824-2928
那須与一伝承館
栃木県で日本刀を鑑賞できる場所は、那須与一伝承館です。那須与一伝承館は、栃木県大田原市にあり、観賞できる日本刀は「大刀 銘 成高(なりたか)」重要文化財に認定されており、平家物語などに登場する那須与一の刀だったと伝えられています。
那須与一は源平合戦で源氏の源頼朝に味方しました。この太刀は、平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した古備前の刀工である成高が作刀。全体は細身で、優美な小切先をしており、強く反りがあるのが特徴的です。
住所:栃木県大田原市南金丸1584-6
時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日~1月3日、燻蒸や展示替期間
入館料:大人(高校生以上)300円(10名以上の団体は250円)/中学生以下 無料
電話:0287-20-0220
世良田東照宮
群馬県で日本刀を鑑賞できる場所は、世良田東照宮です。世良田東照宮は、群馬県太田市にあり、観賞できる日本刀は、「太刀 銘 了戒(りょうかい)」重要文化財に認定されています。
この太刀は、徳川家康にゆかりがあり、徳川家康没後に後水尾天皇が徳川家康を祀っている日光東照宮に寄進しました。所蔵は、世良田東照宮となっていますが、刀身のみ群馬県立歴史博物館に寄託されており、世良田東照宮の宝物館で展示されています。
住所:群馬県太田市世良田町3119-1
時間:4月~10月9:00~16:30/11月~3月9:30~16:00
休館日:無休
入館料:大人300円(20名以上の団体は200円)/子供(小中学生) 100円(20名以上の団体は50円)
電話:0276-52-2045
以上、関東地方で日本刀を鑑賞できる場所をご紹介してきました。昨今、刀を題材にしたゲームやアニメのヒットを受けて、日本刀に興味を持つ方が増えてきています。実際に博物館や美術館に足を運ぶ方も多く、「自分も行ってみたい」と思っている方は、今回紹介した場所へぜひ立ち寄ってみてください。