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公開日:2019/11/01  

売却する前に綺麗に手入れはするべき?

日本刀を業者に買い取ってもらおうとするときには見た目が美しいほうがきっと高く売れるはずだと思うかもしれません。場合によっては刀身が錆びてしまっていたり、柄に汚れが付着していたりすることもあるでしょう。

このようなときに十分に手入れをして綺麗にしておくべきなのでしょうか。

実は汚れていても査定価格はあまり変わらない

一般的な中古品の買取や販売をしている業者に問い合わせてみると美品は高く売れるから高額で買い取ることができるけれど、汚れているものは安値で売るしかないから買い取れないことすらあるという回答が返ってくるのが普通です。ゲームや本、おもちゃやファッションアイテムなど、さまざまなものが中古品として売買されていますが、綺麗なものほど高く売買されるという点に違いはありません。

きっと同じことが日本刀にも言えるだろうと考えてしまいがちですが、一般的な事実として汚れていても、錆びていても査定価格にはほとんど違いが生じません。正確に言えば、素人が手入れをしたことによって落とせるような汚れや錆びであれば査定結果を大きく変化させることがないのです。

これはもともと古くて汚れや錆びがあるのは当然なのが刀剣類のほとんどに共通することで、特別丁寧に保管されていたケースを除けばかなりの汚れや錆びを伴って見つけられています。その状態で買い取った場合にも、プロの技術で手入れをして可能な限り綺麗にしてから販売するのが当然でしょう。

素人が綺麗にしたからといって十分なことができているとは限らず、結局は買い取ってからさらに綺麗にしようと手をかけることになります。その手数料が最初から含まれているので、もともとプロで完璧な手入れができる人でない限りはそのまま売ってしまってもほとんど違いが生じないのです。

若干の違いを気にするなら綺麗にしておこう

ただ、本当に査定価格が微動もしないかというとそうではありません。考えてみれば当然のことで、錆びだらけになっていて埃も被っているようなものと、あちこちに微細な錆びがあるだけで全体として見れば美しいものとでは後者を買いたいと思うでしょう。

埃だらけのものに比べたら、チリ一つついていないようなもののほうが大切に扱われてきたという印象も受けるのは当たり前です。たとえこの二つの日本刀が全く同じものだったとして、プロが手入れをすれば完全に同じ仕上がりになるとしましょう。

それでも査定をする人の気持ちとしては後者のほうに高値を付けようという気持ちが生まれるのは確かです。本当に自分の印象を捨てて、完全に客観的な視点から査定できる人なら同じ価格を付けるかもしれませんが、見た目の印象から受けるイメージはかなり大きな影響を及ぼすこともあります。

日本刀そのものの価格に比べたら微々たるもののことが多いので価格には若干の違いしか生じない場合がほとんどなのも事実です。しかし、そのわずかな違いでも売却するときには気にしたいという人は手入れをして綺麗な状態にしてから業者に相談を持ちかけましょう。

リスクも考えておくことが欠かせない

もう少し落ち着いて考えてみると実は素人の身では手入れをしないほうが良いのではないかということに気づく人もいるかもしれません。手入れをして査定価格が2%くらい上乗せになったとしても、別の理由で5%の減額となってしまったら大損してしまうことになるでしょう。

手間暇かけて努力し、場合によっては錆び取りなども購入して使ったにもかかわらず、査定価格が下がってしまうリスクもあるのです。これは適切な形で手入れをしないと日本刀の価値を損ねてしまうことがあるのが理由で、特に刀の性質をよく理解していない人が綺麗にすることばかり考えていろいろなことをしてしまうと台無しになってしまうことがあります。

例えば、錆びや落ちにくい汚れを除去するにはゴシゴシとこするのが普通でしょう。しかし、それによって刀身に傷が付いてしまって二度と元通りにはできなくなってしまう場合もあるのです。さらに綺麗にしようとして研磨剤を使ったらもう手遅れで、微細な傷が付いてしまって日本刀が台無しになってしまいます。

このように素人の考えで手入れをするとろくな結果にならないことも多いので気をつけなければなりません。十分に知識や技術を付けるほどのやる気があるのなら頑張ってみても良いですが、その気持ちがないならやめておいたほうが大損せずに済むでしょう。

 

一般的な商品のように見た目の美しさが必ずしも重視されるわけではないのが日本刀の特徴です。これは買取業者が販売前にプロによって可能な限り綺麗な状態にしているからで、素人が汚れや錆びなどを落としてもさらにプロが手をかけることになるでしょう。

そのため、査定価格を大きく左右することはないのであまり気にしなくても大丈夫です。むしろ汚れや錆びを落とそうとして傷を付けてしまうリスクがあるということは覚えておかなければなりません。

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